WILDSWANS PALMの話
このブログを開設して最初のエントリ(自己紹介)を書いたのが5月中旬。2本目を書こうと思いつつ、気づけば8月になっていた。
理由はざっくり2つあり、1つは単純に最初に何を紹介しようか迷っていたこと。もう1つはただただ僕が怠惰すぎたことだ。
正直、書きたいこと、紹介したいことは山ほどあるのだが、写真を撮ったり文章に起こしたりするのがとてつもなくめんどくさい。おそらくブログというメディアは僕には向いていないだろう、とまだ2本目の執筆中ながら思う。
概要
言い訳はこのくらいにして、本題へ。
最初にブログで取り上げるものとしていろいろ考えたのだが、自分の持ち物の中で一番愛着があるもの、という選択が一番しっくりきた。
今回紹介するのは愛用している財布。2017年10月に購入し、現在3年10か月使用しているものだ。
使っているのはWILDSWANS(ワイルドスワンズ)のPALM(パーム)というモデル。
WILDSWANSについては革製品好きなら聞いたことのあるブランドだろうから、僕からの紹介は省く。(知らない人は是非とも調べてみてほしい。ものづくり対するこだわりが感じられるとてもいいブランドだ。美しいコバの仕上げを見てもらえればわかるだろう。)
WILDSWANSでは多種の革の取り扱いがあるが、僕が愛用しているモデルはベルギーのサドルプルアップという革。
どのような革かは、これもWILDSWANSのHPを見てほしい。ざっくりいうと、僕みたいなめんどくさがりが使用してもそれなりにいい感じのエイジングが楽しめる、とても扱いやすく剛健な(この表現が適切かはわからないが)革だ。
個人的にとても好きな革だが、現在は供給が安定していないらしくWILDSWANSの定番ラインナップからは外れている。たまに不定期で入荷があるみたいだし、オーダーならこの革もチョイスできるので気になる人はチェックしてみてほしい。
僕のPALMはマリンという現在は廃番になっている色だ。買った当初から自然光の下で見て若干の青みを感じるくらいの限りなく黒に近いダークネイビーだった。約4年使用した今ではもはやブラックだ。
自分でもこのエントリを書くために情報を整理するまでマリンということをすっかり忘れていた。
WILDSWANSのブラックの革のモデルにはステッチも黒い糸が使われているが、マリンにはカーキとゴールドの中間のような絶妙な色のステッチがあしらわれている。このコントラストが気に入ってマリンの購入を決めた。
使用感
PALMとは手のひらという意味で、その名の通り手にいい感じに収まるサイズ感だ。
僕が使っている現物を実際に測ってみると、8.7×10.1×2.5(cm)だった。厚みに関しては中身を抜かずに図ったので実際はもっと薄いかもしれない。
このサイズ感がとても気に入っている。所謂ミニ財布というジャンルでいうともっと小さいものはいくらでもあるが、そういったものは総じて扱いにくかったり、収納を増やすために突飛な構造をしていたりと、はっきり言って僕は好きじゃないものが多い。
対してPALMはいたってシンプル。言わば小銭入れに札収納がついたような構造だ。背面にカードポケット、内側の収納にはホック2つで留めらている部分を開くだけですべてにアクセスできる。このシンプルさがたまらない。
収納できるものは決して多くないが、僕の財布の中身はクレカ2枚、キャッシュカード、免許証、保険証の計5枚と紙幣数枚のみなので必要充分である。
内側の収納はベロで簡易的に区切られており、コインとカードを分けて収納が可能だ。この構造を見て、コイン収納部分にフラップがないため、小銭が落ちてしまうのでは、と思う人もいるだろう。でも心配は無用だ。
特に気を付けていないが小銭が財布から落ちたことは一度もない。そのように設計されているのだろう。
実は僕はこのPALMを買う前、同ブランドのkf-003というモデルを使っていた。
PALMと似ているミニ財布だが、kf-003には内側のメイン収納(コイン&カード用)にフラップがついている。初めにこちらを選んだのは、僕も小銭がこぼれる心配をしていたからだ。
しかし、これが個人的に使いにくかった。Kf-003には外側のポケットもないので、小銭やカードを使う際、まずメインのホックを開けて、次に内側のフラップを開けるという2段階のアクションが必要なのだ。これが僕にはめんどくさかった。
革の質もいいし、見た目やサイズ感など財布としての出来は素晴らしいもので、それなりに気に入っていたが、どうもしっくり来なかった。そして半年で失くした。
その後、僕のPALMライフが始まることになる。外側のポケットによく使うカードを入れておけばそもそも財布を開く必要がない。さらに内側のフラップがない分、小銭や内側のカードの使う際にもアクションが1つで済む。
メリット・デメリット
ポイントカードから解放されること。これが大きい。もともとポイントカードという文化があまり好きではなかった。
レジで財布を漁ってその店のポイントカードを探す行為はかっこよくないし、実際ポイントをそんなに貯められたことがない。どこの店のポイントがどのくらいたまっているかの管理する能力も持ち合わせていない。
でもなんとなく、ポイントカードを作り、ポイントを貯めていた。
ミニ財布を使い始めてから限られた収納の関係上、ポイントカードをすべて捨てた。
This is the best thing that happened to me by starting to use a small wallet.
最高だ。
不要なポイントカードを持ち歩かなくていい、おそらく使うことないポイントをちまちま貯めなくていい、精神衛生上これほどいいことはない。
もちろんデメリットもある。PALMの札入れは日本の紙幣で一番大きい1万円札がぴったり入る大きさである。正直、1万円札を出し入れする際は少しストレスだ。
僕のようなキャッシュレス派の貧乏人は1万円札を持ちあることがあまりないのでこれは割り切れている。
逆に言うと1万円札を数枚常に持ち歩く人には絶対にお勧めしない財布だ。
手入れ
僕のPALMは前述のとおり、サドルプルアップという革のモデル。
この革がまた最高で、僕は約4年間、自分で特別な手入れをしたことがない。たまに気づいたときにブラッシングと乾拭きだけだ。
あとは半年に一度くらい銀座にあるWILDSWANSの店舗でエイジングサポート(革の状態に合わせてクリームを入れるなど無料でメンテナンスしてくれる)をしてもらっている。
あと気を付けていることは、手ぶら派の僕はパンツのケツポケに入れているので、夏場などはお尻側に来る面が蒸れてしまい、そのまま放置すると革の表面が曇ったようになることがある。
よって帰宅後は写真のように立てた状態で革を乾かすイメージで置いている。と、ここまで書いていて意外と気を付けているような気がしてきた。
でも愛着があってこその行動だし、おそらくもっと粗野に扱ってもそれなりのエイジングを楽しめるはずだ。
エイジング
購入直後、使用開始前に撮った写真が残っていたので比較してみる。すぐ下の2枚は購入直後、それ以降写真は今回撮ったものだ。
ケツポケ使用によって潰れて厚みも薄くなり、全体的に革がギュッと詰まった印象。艶も出てきてとてもかっこいい。小傷も増えたが僕は傷もかっこいいと思える人間だ。
コバ部分が少し乾燥気味だが、これも前述のエイジングサポートでコバを磨いてくれたりもする。
個人的に一番気に入っているエイジング(というかただの経年変化というか)が背面ポケットにクレカのエンボスが浮き出ていることだ。
特に狙ったわけではないし、他人から見たら寧ろダサいかもしれないのだが、ここにメインのクレカを収納してケツポケで日々圧力をかけている僕にしか出せない唯一無二エイジングだと思っている。(他の革製品やデニムの色落ちなど、その人のライフスタイルに起因する経年変化ってたまらなくかっこいいよな!)
総括
総じて、僕はWILDSWANSのPALMが大好きだ。使用約4年になるが新しい財布が欲しいという気持ちが全く湧かない。
今後数年はこの財布を使い続けるだろう。
逆に4年経ってもヘタレないので変え時がわからない。僕にとっては使い勝手も良すぎるので、他の財布に変えたときのライフスタイルが思い描けないというのもある。そのくらい製品としてのクオリティが素晴らしい財布だ。
最後に以前にエイジングサポートをしてもらった直後に取った写真を載せておく。やっぱプロのお手入れすげえ。